2020年11月13日
水の科学館では、新型コロナウイルス感染防止対策を講じながら11月8日(日)に第3回水環境総合講座を開催しました。
今回は、熊本県環境センター環境教育指導者である吉永敏之氏を講師にお迎えし、「熊本地域の水と人々の暮らし~水を大切にしよう~」をテーマに講演をしていただきました。
まず、地球上に存在する水の約97.5%は海水で、残りの2.5%のほとんどは極地の氷で私たちが利用できる水はほんのわずかであることが示されました。また、日本の平均年間降水量は世界平均のそれを大きく上回るものの、一人当たりの降水量は世界平均を大幅に下回ることをグラフで表されました。
それから、江戸時代以降の水環境問題に関する歴史や、それに伴って整備された関係法令なども説明されました。
その後、県内河川の水質汚濁状況の話題では、白川や坪井川などの主要観測地点で採水した水の汚れ具合を指標となるBOD(生物化学的酸素要求量)数値の経年変化で示され、近年下水道の普及などで水質改善が進んでいることも合わせて説明されました。
今後の課題として、近年社会問題化しているプラスティックゴミ問題を挙げ、既に海洋生物への影響があることが指摘されており、私たち消費者もさらに利用削減の意識を持つことが肝要であると問題提起されました。
最後に、水前寺の地下水位や江津湖の湧水量が昭和30年代と比べ減少していることに触れ、地下水保全活動の一環として家庭での節水例や、家庭における生活用水使用量の計算方法なども教えていただきました。
今回の講義は、水環境問題について考える非常に有意義な講演となりました。
参加者からのアンケートでは、
「水の必要性・重要性について再認識した」
「水環境について考えるよい機会となった」
「丁寧な資料のもとにスムーズに話が進み、内容が分かり易かった」など、高評価でした。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。